絶景 宮之浦八十八箇所-1
- 2012/02/13(月) 00:20:02
昨年4月の「Wing」(延岡のケーブルテレビワイワイ広報誌)に宮之浦八十八箇所が紹介されていた。宮野浦は旧北浦町の古江のそばの漁港である。延岡市、つまり宮崎県の海岸沿いの北端にある。現在は道路改良がすすみ、延岡市街から30分で行くことができる。
「Wing」によれば、起源は江戸時代に遡るらしい。北浦町史からの孫引きとなるが、引用する。
----江戸後期、宮野浦では疫病、火災などが煩雑に起こっていた。当時、京阪地方との交易で莫大な富を得た宮之浦の住人、中野忠五郎が文政9年(1826)、四国八十八箇所を模し、小豆島で御影石に刻んだ88体の大師像を千石船で搬入、地区民あげて安置した。その際、それぞれの札所から砂を運び、四国と同じ順番になるように配置を決め、砂を撒き、寺の名前を付けた-------とある。
一時廃れかけていたところ、近年地元有志たちが遍路道を整備し再興を図っている。地元の漁師、中井一真さんはガンを患った折、すがる思いで八十八箇所を毎日回り、幸い回復したという。その後、遍路道の整備や一番札所の大師像建立に関係し、地元の宝であるこの文化遺産を守っている、という話も「Wing」に紹介されていて興味深かった。これは是非行って見なくては、と思ったのは昨年春のこと。
機会を見て行って見ようと思っていたところ、2月12日、寒気がゆるんだ快晴の日曜に出かけてみた。
下:古江から宮野浦方面を見る。あの山の中に順路がある。
宮之浦八十八箇所 posted by (C)オトジマ
下:一番、霊山寺は宮野浦の街中にある。漁港脇なので車を置く場所には困らない。まずはここに御参りしてお賽銭をあげる。
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下:1995年に建立なのでまだ新しい大師像。
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下:右の土手に2番、極楽寺。ここまでは町中。この先は細い山道で車では行けなくなる。
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「Wing」では八十八箇所を通しで歩くと約6km、健脚の人で4時間、とあるが、他で調べると10km-6時間という紹介もある。先ほどの中井さんは毎日8時間かけて歩いた、という記述もあるのでうかつに全コースに挑むと運動不足の私は途中でバテる可能性がある。そこで事前にコースを検討してみた。車の行けそうな山の上まで車で行って、15番から遍路道に入り、途中50番で車のあるところに戻る案を立てた。コレならうまくいけば1,2時間で済むかもしれない。
実はこれは正解であった。私の古傷持ちもヒザでは全コース踏破はちょっときつかったかも。下のマップでもわかるように1番から5番まではかなり間が長くてしかもキツイ難路だそうだ。私の場合、途中で弁当を食べた時間を含め、88番中の37箇所だけで2時間20分ほどかかったから、絶対に4時間ではキビシイはずだ。午後から始めて全部回るとしたら暗くなる可能性もある。
もし行って見ようと思われる方にもこの方法をお薦めするので下にマップを付す。後日確認した宮之浦分校裏から66番に至る短絡路も記入した。コピーして印刷して持っていくといいだろう。クリック拡大(Wingより転載したものに加筆)
もし私がとったショートカットコースに車で行かれる方に最初に注意しておく。宮野浦分校から先、15番に向かう道はかなり細い。左の道を登っていく。
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下:分校から100mくらいの墓のある分岐では道なりではなく必ず右へいくこと。
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下:山道の車道は細いが山に登りきると路肩や道路わきなどに車を置く場所には困らない。上のマップ参照。
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※ココが重要。国土地理院の5万分の1地図では50番から車道に戻る山道の記載があるのだがわかりにくい。車道はともかく、山道はアテにならないと思ってよさそうだ。私はやむを得ず5分ほどヤブ漕ぎをして戻ったが冬場なのでラクであった。見通しのきかない夏場は責任を持てない。車道側から見ると道らしきものはある。是非このショートカットコースは整備して欲しいところである。道案内の赤テープだけでもいい。
下:軽トラは宮野浦方面に向かっている。分校からの坂道を登りきったこのカーブから左のヤブに入っていく道が見える。コレを進めば50番近辺の遍路道に行き当たるはずである。実際にはこの道ではなくヤブを漕いで戻ってきたのだが。したがって今日の私にはここがゴールであった。
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というところで、マップの駐車場所に車を留め、歩き出した。青空、鳥の声、暖かな日差しと快適であった。
下:ここらからスタートしたので、この写真は上のカーブの写真の2時間前であり、ほぼ同じ場所である。ツワの群落がすごい。春になれば山菜取りが良さそうな所である。ここはまだ車道。車はめったに通らない。
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下:宮之浦の漁港が見下ろせる。右手に鏡山、中央に可愛岳、行縢が見える。
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下:車道と遍路道が交差するところで、蒲江方面の海が見えた。かすかにマリンカルチャーセンターの巨大な姿が見える。ココまでは車道なので車でも行ける。
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ここからいよいよ遍路道に入る。次回エントリで。
※参考までに国土地理院の地図を。赤破線は遍路道。
地理院地図の人道は遍路道とは必ずしも一致していない。たぶんテキトーに記入しているはず。Aの道が判然としなかったのでヤブ漕ぎのハメになった。Bの道はあることにはあるが実際のコースは56番でなく66番に至る緑色のCの道である。短時間で回りたい人はこのショートカットコースを使うと2時間以内で60番以降を回れる。
※続きはコチラ
※後日、上述の宮野浦分校からコース途中に割り込む短絡路を歩いてみた。詳しくはコチラ
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